みんなちがって、みんないい

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みんなちがって、みんないい

8月22日のコラムで金子みすゞの「はちと神さま」という詩を紹介しました。金子みすゞは「詩のはじまりは、神さまへのおいのりだった」という言葉を残しています。彼女の詩でおそらく最もよく知られているのは、「わたしと小鳥とすずと」でしょう。この詩の最終連は次のようなフレーズです。

   すずと、小鳥と、それからわたし、
   みんなちがって、みんないい。

今から80年ほど前にうたわれたこのフレーズは、2022年のまさに今を生きる私たちの心に訴えるものです。

今、「多様性」「SDGs」が社会のキーワードになっています。

洛星でも8月末に「暁project」代表の大久保暁さんを講師にお招きして、性多様性についての教員研修会を行いました。「特殊-普通」という概念をもつことの問題点、そして「寄り添う」ことの大切さなど、日常看過しがちなさまざまなことに気づき、考え直す機会を得ました。 

また、今月12日の中学3年生の公民の授業では、『フェミニズムに出会って長生きしたくなった』の著者アルテイシアさんをお招きし、特別授業が行われました。

私も授業の参観をしましたが、アルテイシアさんは生徒からの鋭い質問も真正面から受けとめ、とても丁寧に答えてくださり、非常に充実した時間となりました。授業の中でアルテイシアさんが繰り返し口にされた「『みんな違っていて当たり前、が当たり前』になってほしい」ということばが強く印象に残っています。

「多様性」や「SDGs」というワードが単なるキャッチフレーズではなく、それが「当たり前」の社会、「みんな違っていて当たり前、が当たり前」と私たちみんなが思える社会を、きっと今の生徒たちは築いてくれるだろうと信じています。  

みんなちがって、みんないい。

みすゞの祈りは私たちの祈りです。




校長 小田


2022.09.15

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