栗と幸せ
すっかり秋らしくなってきました。夏の暑さが嘘のようです。
秋というと、まずは食欲の秋!味覚の秋!先日の夜、渋皮煮でも作ろうと栗の皮を剥きながら、観るともなくつけていたCSテレビ番組の中で、主人公に対して大学時代からの知り合いの女性が、こんな言葉を口にしているのが印象に残りました。
「幸せは、気づいてあげると、小さくても育っていくものよ……」
なるほどなぁ、いいこと言うなぁ、と思いました。
私はこの時期になると、店頭に栗や梨、柿などが並び始めるのを見るだけで、なんだかワクワクしてきます。そして、娘が幼稚園の年長さんだった頃からここ20年ほど、毎年のようにマキノピックランドへ栗拾いに出かけています。「子供のために」という名目ではありましたが、本当は私自身が大の栗拾い好きだからです。

ひとつひとつしっかりと身の詰まった栗を、虫が入っていないか確認しながら拾い集める時間を楽しみ(この間「虫愛づる姫」のわが娘は、コオロギを追いかけて虫かごに入れているのですが)、持ち帰った栗はしばらく冷蔵庫で熟成させた後、丁寧に皮を剥いて渋皮煮にしたり、栗ご飯にしたりします。
秋の味覚を存分に楽しみたいあまり、家でしばしば栗ご飯を炊くのですが、我が家で楽しむだけでは物足りず、多めに炊いては学校へ持ち込み、同僚の先生方にお裾分けという名の“押しつけ弁当”を食べていただいたりもしています。(ターゲットになってしまった先生、ごめんなさい。)

完全に自己満足ではあるのですが、栗を拾い、栗を剥き、それをみんなで味わって食べる——そんな時間の中に、確かな「小さな幸せ」を感じます。「これは幸せなんだな」と気づいて慈しむことこそが、何よりも幸せを大きく育てていくのかもしれません。
当たり前の日常の中には、私たちがまだ気づいていない幸せがたくさん隠れています。もし気づかずに通り過ぎてしまったら、その幸せは育つことなく、しぼんでいってしまうのかもしれない……。
今日という一日の中にも、きっと小さな幸せの芽が落ちています。目の前にあるささやかな楽しさや喜びに目を向け、大切に育んでいきたいものです。
よし!今日も幸せを育てよう!……と、今日も栗剥きにはげみます。
校長
