小さくて大きなプロジェクト
今回は、洛星生物部が関わらせていただいている、非常に壮大で、そして地道な「オオサンショウウオ」の保全活動についてお知らせします。
現在、京都の鴨川では外来種(中国種)との交雑が進んでしまっており、純粋な国産(在来種)のオオサンショウウオはわずか約1パーセントにまで激減しているという厳しい現状があります。
「この状態を100年かけて改善せよ!」
という国からの壮大な指令を受け、京都大学大学院 人間・環境学研究科の西川教授を中心に、地道な基礎研究と保全活動が続けられています。実はほんの少しではありますが洛星生物部もこのプロジェクトに参加させていただいています。
先週は、生物部員が京都大学を訪問してオオサンショウウオの解剖を学び、そして昨日7月4日は、オオサンショウウオの「頭部骨格標本の組み立て実習」が行われました。

オオサンショウウオは、60年以上も生きると言われる長寿の生物です。井伏鱒二の短編小説『山椒魚』を通して、その生態やユニークな性格をイメージされる方も多いかもしれません。
ユーモラスでありながら、どこかグロテスクでもあるその外見。しかし、いざ骨にしてみると、想像をはるかに超えるほど細かく複雑な骨で構成されていました。頭部だけでも組み立てるのは至難の業。生徒たちは大苦戦しながらも、熱中して取り組んでいました。

これだけ熱心に打ち込む姿を見ていると、将来、洛星からオオサンショウウオ研究の権威が誕生するのではないか……と、今から期待が膨らみます。
ここで、生物部顧問の北澤太郎先生のコメントご紹介します。
「西川先生との交流は、2017年にラボ見学へ伺ったことから始まりました。その後、2024年まで(2020年を除く)継続して野外調査に参加させていただいており、2021年からは年3回の出張講義もしていただいています。
その間、洛星生物部からは京都大学理学部の動物行動学教室に2名の卒業生を送り出しており、生徒たちは西川先生から多大な影響を受けています。
実際の生き物を目の前にし、第一線の専門家から直接お話を聞くこと。それは単に「生物学」を学ぶだけでなく、その生き物を取り巻く環境や法律など、社会のさまざまな「リアル(現実)」を知る貴重な機会です。これこそが、本校が目指す「全人教育」の実践そのものであると感じています。」

教科書を開くだけでは決して得られない、本物のサイエンスと社会のつながりを肌で感じた部員たち。
100年続くこの壮大な命のリレーに、これからも洛星生物部として(いえ、学校としても)しっかりと寄り添い、学んでいきたいと思います。今後の活動にもぜひご注目ください。
校長